2010年6月9日水曜日

京阪と鉄塔









「って、おいやめろや!静かにしろって!落ち着け!」
「なんでやねん、こんなもん、お前、落ち着いてられるか!おいおいおい、お!」
「・・・・」
「ちょー待てや!おい、ちょー、お前らマジで知らん振りしとけよ。・・しー。。あくまでそっけないフリしとくねんで。・・・・オイ、カズキ!ジロジロ見るな!」
「ちょ、お前、なんでやねん!こんなもんなー。じっとなんかムリやろー!えぇ、この殺人的なアングルはなんやねん、えー?・・。ほ、ほんまに、乗ってくる人のパンツが、こ、ここの窓から丸見えやないか!なんやここは!」
「だー!だから、お前、もうちょい黙れって!大きい声出したらめっちゃ浮くから!恥ずかしいやろ!コラ!じっとしとけ!おい、ちょー、マー君、カズキの腕押さえとって」
「うん・・・。ちょ、お前ちょっと静まれ!コラ!サカリのついた猿!」
「ぎゃー、何すんねんアホー!お前らも、もうちょっと自分に正直になれー!若さはおれらの特権やろがー!この衝動を大事にせんで何が青春じゃー!」
「ちょー、こ、こいつなんでこういう時だけ力強いねん・・」
「だーっ、だからこいつ連れてくんの心配やったんやー。。しゃーない、もう予定変更や。今日は見るのやめ!目隠ししとけ目隠し。マー君、カズキの手ぇ押さえて、更に目隠しや!発車するまで外したらあかんで!」
「うおー。。すげぇ!京阪すげぇ。二階建ての車両って、こんなん客乗ってくるとこが一階の窓から丸見えやないか!ホームから座席が低すぎるやろ!・・・・ホンマどんな設計やねん・・・・・これ考えた車掌さん天才やな・・・アァー、こんなもん、初夏の暑さなんかそっこー吹き飛ぶわ!・・はよう若いキレイなお姉さん乗らへんかなー。スカート短いオネーサンこーへんかなぁ!」
「あ、アカン・・、ノブちゃん、・・押さえられへん、力強すぎやわコイツ・・」
「うぅ・・、ほんまや、こいつの力なんやねん・・」
「・・・・オイオイオイオイ!ノブ!マサ!女子がこっち歩いてきたぞ!乗ってくるんちゃうか!」
「マジで!!(二人同時)」
「・・・おい、アレどこの制服や」
「うーん、どこやろ。。よう分からんなー」
「・・・・・」
「マサ分かる?」
「・・・・・・なんとなくやけど、尼の方の女子高ちゃうかな・・。」
「・・・・えらい制服詳しいなマー君。なんでお前そんなん知っとんねん」
「え!・・いや・・、なんつーか、前に、その・・、尼のコらと飲み会みたいな事あって・・」
「おいコラ!おれに内緒でいつのまにそんな事やっとったんや!」
「ヒィ!ゴメン!」
「ほほー。なるほどな。後ろの二人はケバいけど、前のコ可愛いなー。。おれああゆう清純なコ好き」
「・・・ほ、ほんまやな!たしかに清純系でカワイイ!」
「ちょ!ちょっと、おれにも見せてーや」
「おおー(二人同時)」
「清純なコがぼちぼち乗ってくるで!」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・。・・・・・・
・・・・・白!!!!(三人同時)」
「イエーイ」
「イエーイ」
「イエーイ(それぞれハイタッチ)」
「これかなりレアちゃうか?!」
「おれは今歴史を目撃したッ!」
「・・・・・・・・・」
「イエーイ」
「イエーイ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「これはもうマサの家でお祝いやな!今日は勉強会なんかなしや!」
「おう!そうしよそうしよ!今日はマー君の家でパーティや!!!」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・?・・・・どないしたんマー君」
「どないしてん」
「・・・・・・・・・・ヤバイ、ばれてる」
「嘘ッ!?」
「・・・・・・・・・・、うわっ、こっちガン見してるやん」
「・・・・・・・・と、とりあえず会釈しとけ(会釈)」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・あれ?(ドキッ)」
「・・・・・・アレレ」
「・・・・・・・・・ちょ、ちょー、何今の!見た!?」
「・・・・・見た見た、何あれめっちゃカワイイ・・・」
「・・・・・・・・・・」
「ス、スカート押さえて、こっちに向かってなんかゆうてきてたで・・。恥ずかしがってなかったか?」
「ウン・・・恥ずかしがってた・・・・・。もう、とか、なんかちょっと、こっちに喋ってきてたな・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・何あの恥じらい方・・可愛すぎるやろ・・・・・。何あれ。」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・。・・・・・おい」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・おい!」
「(ペチンッ)アイタッ!」
「マサ、お前放心しすぎやろ。まぁ気持ちは分かるけど」
「めちゃくちゃ可愛いかったなぁ。」
「ウン」
「・・・・さすがのおれも今のはちょっとビビッた、惚れそうなった。・・・・でも、なんかちょっと男慣れしてそうやな」
「あー、たしかに。だって全然知らんやつにあんな媚びた顔するか普通?」
「あれは中々の女やで。もうちょっと成長したらええ女になるはずや。・・・魔性の女やな。オーコワ!」
「ガリガリガリクソン」
「(笑)」
「はぁ、まぁええモン見せてもうたわ。くわばらくわばら」
「ちょ(笑)なんでオマジナイしてんの」
「え、ちゃうかったっけ?!まぁええわ。なんかこう、拝みたい気分やねん!キリストに!」
「ちゃうちゃう、そこはアワテナーイ、アワテナーイ、ヒトヤスミヒトヤスミ!」
「一休さんもチガイマース」
「あなたダレデースカ」
「ペリーデース。クロフネー。ワタシモエエモン見たワー」
「ちょっと!」
「へ?」
「うん?」
「?」
「あんたら、下から覗いてたやろ」
「・・・・え」
「・・・・・・・・」
「・・・・・」
「おい!聞いてんのか?!あんたら下から覗いてたやろ!ゆうてんねん」
「・・・・・な、なんのことやら」
「とぼけんなや!!ウチら見ててんからな!」
「何をでしょうか・・・」
「まだトボけようでコイツら。なんなん、サイアク。・・・トモコのスカート、下から覗いたやろって、ゆうてんねん!」
「トモコて誰?」
「さっきあんたらが覗いたコや!」
「・・・・・、そのコ、いてへんけど」
「ウルサイ!あたしらが代わりに来たったんや、エエ加減にしときいや、あんたら」
「は?!そんなもん、覗いてへんわ!」
「何ゆうてんのよ!あんたら覗いてたやろ!」
「何わけ分からんことゆうてんねん、お前ら。おれら覗いてへんで!なぁ、カズキ。おれら、普通に席に座ってただけやっちゅうねん。」
「あんたらなぁ!ちょー、マユちゃんも一緒に文句ゆーてーや」
「うん、あんたら、乗ってくる人のスカート覗こう思て、この席座ってたやろ!キモいねん!!」
「は?!ちょー待てや!おれら普通に席に座ってて、喋りながら外見てただけやん。そんなもん、この車体の低さやねんから、イヤでも見えてまうことだってあるやろ!そんなもんおれらのせいとちゃうやんけ!文句あるんやったら電車二階建てにした車掌さんに文句ゆえや」
「む・・・・・むかつくー!なんなんこいつら・・・・・」
「てゆーか、お前らのパンツなんか見たないし!ケバいねんお前ら」
「なんなん!腹立つわー、あんたらどこの高校なん、この制服・・・。ちょーリョウらに言いつけたろか、ほんま」
「ほんまやわ。ちょっとゆうたったらええんちゃう」
「・・・・・・・・・・はい?」
「あんたらみたいな奴、ちょっとシメてもうた方がええわ。あーしの知り合いに言いつけたる」
「・・・・・・ちょっと、・・・・ちょっと待ってえな」
「何がよ!」
「いや、その・・・・ちょっと待ってくれませんでしょうか」
「ウルサイ!!あんたらみたいな、中途半端にいちびってる奴が、ウチらほんまにむかつくねん」
「いやいやいやいや、ちょー、ちょー待ってえな。・・・あのさ、おれらの話やのに、他人が割り込んでくるとか、・・・そうゆうの、どうなん?」
「はー?なんなんあんた。今更下手にでよんの?」
「サイアクー」
「ほ、ほなもう、二階行こうぜ。こんなにギャーギャーゆわれても、うっとおしいだけや」
「おうおう、行こ行こ」
「ちょ!あんたら、待ちーや!」
「はいはい、ちょっとスンマセン。はいはい、どーも」
「ちょっと失礼ー。・・・あ、どうぞここ座って下さい」
「・・・・・・・・・」
「・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「はー。あーうっとおしかった・・」
「なんやアレ!ウザすぎんねんけど」
「ウットーしかったぁ・・」
「ほんっま!なんでああゆう女って口だけは達者なん?!」
「腹立つなー、ほんま。何?おれらがお前に何してん!」
「誰もお前らのパンツなんか見てないっちゅーねん!」
「ほんま、ブスの嫉妬は見苦しいのー。」
「あれ、ブスと清純系って友達なんかなぁ。」
「そりゃそうやろ。一緒に電車乗ってきたし。トモコってのが清純系の名前なんちゃう?」
「トモコちゃんかー・・。あのコ可愛かったなぁ・・」
「あれやで。トモコちゃんが可愛いからって、その嫉妬の怒りをおれらにぶつけてきたんやでアレ」
「かなんなー」
「嫉妬8割、友達の為2割」
「友情少なッ!」
「あー・・」
「なにぃ」
「どないしてんマサ」
「急いだから、下に荷物忘れてもうた」
「荷物って何」
「ジャージとか」
「あほやなー」
「アイツらおるかも知らんぞ(笑)またギャーギャーゆうてきたら、ソッコー逃げろよ」
「う、うん。あー、バリだるい・・・」






***






「なんやねんほんま。おれらおった所チャッカリ座りやがって。何が早よしてじゃ!えっらそうに。アホか!死ね!あー。腹立つ。・・・・これだけで間違いないな。もう忘れてないやろな・・。よし。大丈夫やな。はぁ。なんかテンション下がるわー・・・・。・・・・・・・」
「あいた」
「おッ。あ!すいません」
「・・・・・・・・あ。」
「あ!」
「・・・・・・・」
「・・・・・す、すいません!!」
「・・・・・・・・・・・・。なにが(笑)?」
「え、・・・いや、あのー・・・・、」
「(笑)」
「えーっと、その、なんつーか・・・・・・・」
「あんたら下から見てたやろ」
「いや、えー、いや、それはたまたま・・・」
「なんかハイタッチしてたやん(笑)」
「!!・・・・・もしか、見てた?」
「そりゃー、あんだけ喜んでたら」
「・・・・・・・・・・す、すんません」
「人のパンツ見て、どんだけ嬉しがるんよ」
「それはまぁ、なんてゆうか、カズキが見たいゆうから・・」
「カズキって、なんか一番はしゃいでたコかな」
「そうそう。アイツが見たいとかゆうから、ほな今日京阪乗れるしおれんち来る?って話なって」
「こっち住んでんの?」
「うん」
「あたしらもやねん。」
「・・・・マジで・・・。これから電車で会ったりしたら、めっちゃ恥ずいねんけど・・」
「もう顔覚えたし」
「ちょ!!あのさ、マジで勘弁してくれへん?・・・・・なんか、ジブンの友達が、男に言いつけるとかゆうてんねんけど、許してくれへん?おれらマジ普通の高校生やから、ヤンキーとかほんま勘弁・・・・・」
「ああ、別にそれは大丈夫やと思うで。てか、あたし別に気にしてへんし。あのコらが勝手に怒りに行っただけやから。あたしが、見られてもうたーってゆったら、イキナリそっち向かって行ってん。いっこも頼んでへんのに(笑)」
「あ、そうなんや」
「うん」
「・・・・・ほなやっぱり嫉妬8割やったんか・・・」
「え?」
「・・いや、なんでもない」
「うん、だから、あたし全然気にしてへんから、大丈夫やで。」
「どうも助かります・・・・寿命縮まるわほんま・・」
「あたしら次の駅やねんけど、自分らまだ先?」
「あー、うん。もうちょい先」
「そっかー。あ、あそこあそこ!」
「・・へ?」
「向こうにめっちゃ高い塔見えるやろ」
「え。・・・・どれ?」
「あれあれ、あそこ!丸い建物の向こうにあるやろ」
「・・・・・・ああ、うん。・・・見えた見えた。あるけど、それがどうしたん」
「あの辺にな、あたしん家あんねん」
「・・・・・へ?」
「ええとこやろ」
「・・・・・・そうか(笑)?だだッ広いだけやん、この辺」
「えー、あんた、全ッ然分かってない!」
「何がよ(笑)」
「いや、だから、この広さよ。地平線まで見えるやん!めっちゃ景色ええやん!」
「ま、まぁ・・」
「あたしな、結構自分の住んでるとこ、好きやねん」
「そうなんや(笑)」
「だって、どんだけ走っても、めっちゃ広いねんで!」
「(笑)・・・・・あのー、おっしゃってる意味が、よう分からんのですけど・・」
「分かるやん!」
「(笑)」
「なによ!」
「ジブン、変な奴やな(笑)」
「・・・・ほほう、あんたもよう話してやらな、分からん人間みたいやな・・・・・。あたしの事バカにしてるやろ!ほなな、ちょっとあたしが、説明してあげるわ。あのな、めっちゃ広いところってな・・・」






「せやろ(笑)アハハハ!オモロイなー!ほんでな、・・・・あ、マー君。お前何しててん」
「もしかして、ケバ女に捕まってたんか(笑)」
「・・・・・・・いやー。・・・・」
「・・?・・・なんやねん」
「どないしてん。・・・・もしかして、またアイツらしょうもないこと、ゆうてきたんか?」
「もう女連中は降りたわ」
「あ、そうなんや」
「なんかゆうてたか?」
「いや、特に何もなかったわ。まぁ、おれがジャージとるときに、ちょっとイヤミみたいなことゆわれたけど」
「くあーッ。ほんまかなんなぁ、あのアホ女共!」
「まぁ、そんだけで終わったから、とりあえず良かったやん。まぁそやけど、これから仕返しみたいなんあるか心配やけどな」
「あ、それは大丈夫みたいやで」
「そうなん?」
「うん」
「お前が交渉してくれたんか!!」
「マジで!マー君やるやん!」
「あ、いやいや、おれちゃうねん」
「は?どうゆうこと?」
「いや、あのな、ジャージとって席戻るときにな、あのコと会うてん」
「あのコって誰」
「・・・・・!・・もしかしてトモコちゃん!?」
「うん」
「ちょー!!おれら呼べよぉ」
「いや、そんなに喋ってたわけちゃうんやけどな」
「そんなに喋ってたわけちゃうて、今の今まで喋ってたやろが!」
「コラ!!お前、飲み会のことといい、今回といい!!なんでお前は!」
「ちょ、ちょっと、これはたまたまやろ?!しゃーないやん」
「何喋ったんや?」
「うーん、まぁ、適当に。別に気にしてへんねんて。スカート覗いたこと」
「ホラ!やっぱり怒ってへんかった。やっぱりええ女やってんなー」
「そっかー。あー、良かった・・」
「ほんで、男に告げ口するんも、やめてくれるように、ゆうてくれるらしいわ」
「そうなんや!ほほお。まぁそれにしても!マサタカ君グッジョブ!!」
「・・・・ちょっと待ちなさいよアナタ。・・・まさか、そこまで話し込んで、まさか、まさかとは思いますけどね。えー・・」
「・・・!・・。い、いや、その・・」
「・・・・・。・・・!おいマサ、お前キサマ・・・・」
「しゃ、しゃーないやん!成り行きやねんから!!!向こうからメルアド交換しよゆうてきてんから!!」
「ちょっと可愛い顔してっからってイチビッてんとやってまうぞラァ!」
「会議や会議。ちょっともうこれは会議や。マー君」
「作戦会議や。どうやっておれらも便乗するかの作戦会議や!」






***






「・・・・・・・・フワぁ・・・・・。・・・・・。うーん!」
「ああ、午後ダルイわー。最近暑いねん、ほんま」
「・・・・・そやなぁ。ゆうてももう六月やしな・・・・」
「カズキどこ行った?」
「隣とかゆうてたけど。・・・・・・・あ、帰ってきたんとちゃう」
「あ、ほんまや」
「おい、マサ」
「・・?」
「まだメール続いてんのか、トモコと」
「え、続いてるけど。」
「ええのーマー君。あんな可愛いコとメル友なれて。お前ちゃんとこっちにも繋げてくれよ。内緒にすんなよ」
「分かっとるって」
「いやな、さっき教科書借りに行ってて、話しててんけどな。隣のヤスダゆうやつやねんけどな」
「・・・、あぁ、ヤスダ知ってる。顔デカイ奴やろ」
「コラ顔のことゆうな(笑)ええ奴なんや。まぁそれはええわ。あのな、ヤスダがな、尼出身なんやわ。ほんでな、先週の電車のことな、話してたんよ。ほならな、ヤスダが知ってるゆうてたんやわ」
「何を?」
「トモコとか、その辺の女のことよ。」
「ほう」
「ほんでな、どうやら、話聞いてたら、そいつらの高校、女子高な、アホらしいわ」
「へー。そうなんや・・」
「まぁ、そうやろな。アホそうやったし。ほやけど、トモコちゃんもアホなんか。黒髪清純系やのに・・・なんかショック!」
「いや、それよりもな、ショッキングやねんけどな、あのな、そのトモコって女な、ヤリマンで有名らしいわ」
「は?マジで!」
「それも相当らしいで。エンコーとかもやってるとか、男とすぐヤるとか」
「・・・・・・・」
「なんでヤスダがそんなこと知っとうねん。」
「いや、尼の奴らでは結構有名な話らしいわ。実際にヤスダの知り合いも付き合ってたらしいから、ほんまらしい。ほんでな、なんかな、携帯とかで、そういう掲示板があるんやと」
「そういう掲示板て?出会い系みたいな」
「いや、ちゃうちゃう、もっとエグイ感じの。なんか、たちんぼ的な掲示板」
「は?意味分からん。なんやねん、たちんぼって」
「たちんぼて、アレやん、よう天王寺とかに立ってるやろ、オバンが」
「ああ、なんか、やたら化粧濃い、オバンおるな。あれなんなん?」
「あれ、エッチするん待ってんねん」
「は?エッチ?」
「そう。エッチしてお金もうてんのやがな」
「ちょ、天王寺におるオバンて、もうお婆ちゃんやん(笑)」
「知らん(笑)、マニアがおるんちゃうか。その辺は知らんけどな、まぁそういうのがたちんぼゆうんやて。ほんでな、そういう情報を交換する掲示板があるらしいわ」
「そうゆう情報て何?」
「ほやからまぁ、ゆうたら、アレや、聞いたところによると、天王寺のフープあるやろ?あれのすぐ後ろの非常階段に座ってる若い女がいててヤらしてくれるとか、地下鉄心斎橋の東口便所の横に、いっつも立ってる女がおるとか、まぁ、そういう情報を交換する掲示板や」
「コエー、なんやそれ。・・・・・そんなん初めて聞いた」
「トモコもよう書かれてんのやて」
「・・・!・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・マジ?・・・・・」
「あぁ。らしいわ。掲示板にようトモコの情報のってんねんて。有名らしいわ。やらしてくれる高校生ゆうて。・・・・なんか、相当イタそうやで、あの女」
「・・・・・・・・・・」
「おい、マー君・・・・・ヤバいんちゃうん・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・やめといた方がええんちゃうか、マサ。ヤバイやろ、なんか。変なビョーキとかもってそうやん」
「・・・・・・・・それ、ほんまなんか?」
「は?」
「・・・・ほんまやで。ヤスダは信用できる奴や」
「・・・・・でも、実際にそうやって、ヤスダの友達の中で、たちんぼでトモコに会いに行った奴、おれへんのやろ?」
「それは・・・・。まぁ、そこまでは、おれも詳しく聞いてへんねんけど。」
「それやったら、まだ分からへんやん」
「ちょ、ちょっと、マー君、お前トモコに惚れてんの?なんかオカシイで?」
「別に、オカシイ事ないやん。」
「いや、オカシイってお前。なんでそんなにトモコに肩入れすんねん」
「そ、それは、なんつーか・・・」
「マサ、お前、そんな如何わしい女にくっついてても、エエことないって。自分を大事にせえへん女って、どっかオカシイんやって」
「カズキまでそんな言い方せんでもええやろ」
「いや、おれはお前のこと思てゆうてんねん。ああゆうタイプにのめり込んだらアカンて。電車で見たやろ?トモコのおれらに対して媚びた目線。お前みたいな素直な奴、適当に使われて捨てられるのがオチやって」
「おれもそう思うわ。やめとけってマジで。なぁ。お前も見たやんけ。京阪で見たやろ?やっぱ、そうゆう女やってんて、トモコは。」
「・・・・・・・・・・・・」
「カァー。お前はほんまに思い込みが激しくてかなわんなぁ。そんなに惚れてもうたんかいや」
「惚れたとか、そういうんとちゃう」
「惚れとうやないか!アホかお前!」
「なぁマサ。おれもノブも、お前のため思てゆうてんねんからな。誰も、お前、別に嫉妬してゆうてるわけちゃうで。あのケバ女みたいに(笑)いや、ほんまにトモコがええ女やったらな、おれらかて冷やかすけどな。ほやけど、今回はほんまや。冗談でゆうてるんとちゃうて。マジでお前のため思て、ゆうてんねんからな」
「・・・・・・・・」
「おい、マー君・・・・・・・・」
「なぁ、マサ」
「・・・・・・・・・・・・・ウルサイなぁッ。ちょっとほっといてくれや!」
「おい・・・・・」
「・・・・」
「アカン思たら、おれ自分でちゃんと引くから。・・・・・分かってるよ。・・・・でも、一応自分で話して決めるから」
「・・・・・・・・・・・。・・・・かなんなぁ」
「・・・・・・・・そっか。ほな、別におれもこれ以上ゆわんけどな。ほなけどな、マサ、まだ付き合うとか、そういう話やないからかまわんけどな。でも、お前、もし付き合うとかなったら、お前、その辺のこと、ちゃんと相手に話さなアカンで」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「マー君!」
「・・・・・・」
「・・・・・・・うん分かった」
「・・・・・」
「・・・・・よっしゃ。ほなええわ。おれらも、もうなんもゆわんわ」
「・・・・・・。うん。忠告サンキュー。・・・・・まぁ、付き合うとかはないと思うけど」
「何をえらそうに」
「(笑)」
「うるさいなー」






「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・。・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・あ。・・・・・・・・・・・・おーい!」
「・・・・!・・・(笑)・・・・・・・・・・・(手を振る)」
「・・・・(手を振り返す)」
「・・・・・・・・・・・・・・・もう来とったん?」
「・・・ううん、あたしも今来たとこ。てか、この辺あたしの庭やし」
「ほんまに何もないなぁ・・・。・・・そういや、ここの駅で降りたん初めてや」
「ウソや」
「だって、この辺用事ないもん」
「友達おったやろ?」
「いや、この辺の奴おらんかった。まぁ、たまたまなんやと思うけど」
「ほほー。ほな、紹介し甲斐があるってもんやわ」
「ホンマに何もないなー。何これ、広ッ!」
「そうや。この広さがええとこやねん!」
「広いて、何もないだけやんッ」
「・・・・・・スゥーーーー・・・・・なんもないんとちゃう、広いんやーー!!!!!・・・・ほら、こんなに叫んでも大丈夫やで!」
「(笑)・・・・・スゥーーー・・・・ほんまやなー!!!!・・・・おお!ストレス発散なるな!」
「せやろ!」
「・・・ところで、最初の名所はどこ?」
「お!ほな、さっそく行きますか!!・・・・・最初のスポットは・・・」
「・・・・・」
「あの三本並んだ鉄塔のとこや!」
「・・・・・・・・・・遠ッ!」
「よし、あそこまで走るで!」
「ちょー、そんな走ったら汗かくやん!・・・・・・・ちょ、ちょう待って、あ、サンダル脱げた、サ!ちょう待ってって、・・・イテ、イテテテ・・」
「はよおいで!・・はよせなおいて行くで!」

 




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